前川ゼミ活動考察

 今まで上田市の外で生活をしたことがないので、客観的な視点ではないかもしれないが、自分なりに上田市について感じたこと、考えたことをまとめる。上田市というのは上田城の城下町であったり、北国街道が通っていたこともあり、歴史がある町である。気候も安定していて、自然も多い。スキー場やキャンプ場、温泉も多く、車があれば日帰りでスキーや温泉を楽しむことができる。新幹線も通っており、東京など首都圏へのアクセスも良い。そのせいか、近頃では海野町商店街などに若者向けのバーや、都会志向の洒落た店が増えてきた印象がある。加えて県外からの移住者向けかと思われる高級マンションも増えてきた。一時的ではあるが真田氏の本拠地が上田城ということもあり、NHK大河ドラマ「真田丸」の人気によって上田が賑わっていたことがあった。長野大学の入学式を執り行ったサントミューゼも建設され、一流の美術展やその他催し物が上田で開かれることが多くなった。
このような上田市の良いところがある反面、「真田丸」による観光客の受け入れにより市営プールが取り壊され、駐車場に建て替えられることがあった。市営の体育館もかなり老朽化しているが、そのまま放置されている状態である。古い体育館ではあるが、中高生の部活動でも毎日使用されている。暖房設備もなく、コロナ禍のため窓を全開にしなければいけないので、非常に使い勝手が悪い。上田市(特に中心部)では若者が運動できる場所は少ないと感じる。また、新幹線は通ってはいるが市内における公共交通機関(別所線、市内バス)は待ち時間が長く、本数も少ない。特に別所線は運賃が高く不便である。
 特に私が上田市の最大の問題点だと思うことは、真田氏への依存と考える。上田は何かにつけて「真田」に頼る傾向がある。上田市ではあらゆるところで真田十勇士の立て看板など、真田を盾にしてくる。我々地元民としては真田氏の話はもううんざりだ。約400年前に活躍していた人物を売りにしても、これ以上の産業、経済の発展は望めない。真田の知名度で得られるものは主に観光客、それにかかわる観光収入だけである。これらは一時的なものであり、持続的ではないといえる。我々市民としては、真田が脚光を浴びることは嬉しいが、大河ドラマによる観光客を招くために市民プールがなくなったり、雨漏りがする市営体育館が放置されていたりするのは表面的なアピールということを重視して、市民の暮らしが軽視されていると感じる。(優先順位がおかしい)
 これからは、“真田”や、イベントなどに依存する一時的な観光客、観光収入をメインにするのではなく、上田市がこれまでおろそかにしていた医療、教育、福祉などをさらに充実、そしてアピールしていくことで移住者や定住者を増やしていくことが重要と考える。そうすることで上田市が持つ首都圏からのアクセスがしやすい、晴天率が高い、温泉、スキー場などの上田という土地が持つ良さを最大限に生かせると感じた。

登録日:2023-01-19 投稿者:たける
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