東京ステーションギャラリーに東京駅周辺の都市環境の変遷がジオラマで展示されています。東京駅前に新丸ビルが竣工した1950以後の昭和時代の姿、そして高層ビルが立ち並ぶようになった現在の姿。旧丸ビルの高さを基準としビルの高さが100フィートに制限されていた時代のオフィスビルの画一的な高さのビルの連なりをその時代、子ども心なりに美しい都市景観と感じてきました。それが都市景観の規範にすらなっていたと思い返されます。が、今となっては「だからどうなの?」という思いが先に立ちます。
私が旧丸ビルの外観・内観を記録に収めておかなければと思ったのが1997年2月のこと。その頃丸の内はまだ味もそっけもないオフィスビル群でした。その後丸ビルは解体工事が始まり、現在の新しい高層ビルに建て替わりました。その後さらに東京中央郵便局も複合的な施設KITTEとなり、建物の中に入るともはや郵便局ではなく、高層化した吹き抜けの空間と化しています。かつて郵便局で記念切手を買った頃の記憶が脳裏に浮かびます。
東京が遅ればせながらやっと風格のある現代的な都市に変貌しつつあると感じます。車がひしめいていたかつての東京駅前が広場化されて景観的にも見違えるようによくなりました。東京駅前に展開する丸ビル、新丸ビル、東京中央郵便局の古い建物は外形的にかつての景観を残しつつ、高層ビルに建て替わっているのが大変によい。古い景観と新しい景観が不思議に調和して美しい都市景観を形成しています。
地区コード | 東京都 |
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管理番号 | 3283 |
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カテゴリ名 | 地域の記録 |
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